LTV(Lifetime Value)とは、「顧客生涯価値」と訳され、1人の顧客が企業に対して生涯で生み出す総収益から、その顧客を獲得し維持するためのコストを差し引いた値を指します。顧客の長期的な価値を示す重要な経営指標です。Customer Lifetime ValueからCLVとも呼ばれます。
LTVは以下の式で算出されます。
LTV = 顧客生涯売上高 - 顧客維持コスト
例えば、消費財メーカーなら製品の平均利用期間と平均購買金額から算出でき、サブスクリプションサービスなら月額料金と解約率から計算できます。
【消費財メーカーの場合】
ある家電メーカーの製品Aの平均利用期間が5年で、平均購買金額が5万円だったとします。この場合、LTVは以下のように算出できます。
LTV = 平均購買金額 × 平均購入回数
= 5万円 × 5年 ÷ 製品ライフサイクル
= 5万円 × 1回
= 5万円
= 5万円 × 5年 ÷ 製品ライフサイクル
= 5万円 × 1回
= 5万円
つまり、この製品Aの顧客1人あたりのLTVは5万円ということになります。
【サブスクリプションサービスの場合】
次に、月額制の動画配信サービスを例に考えてみましょう。月額料金が1,000円で、顧客の平均利用期間が2年、解約率が年率20%だったとします。
この場合、LTVは以下のように算出できます。
LTV = 月額料金 × 平均利用期間(月数) × (1 - 解約率)
= 1,000円 × 24ヶ月 × (1 - 0.2)
= 19,200円
= 1,000円 × 24ヶ月 × (1 - 0.2)
= 19,200円
つまり、この動画配信サービスの顧客1人あたりのLTVは19,200円ということになります。
LTVが高ければ高いほど、その顧客は企業にとって価値が高いことを意味します。LTVが獲得コストを下回れば、将来的に損失が発生する可能性があります。
マーケティング施策の立案においては、LTV(顧客生涯価値)を獲得コストと比較し、収益性を検証します。また、セグメント別のLTVを分析することで、重要顧客の特性を明らかにできます。
このようにLTV(顧客生涯価値)は、マーケティング戦略の基礎となる重要な経営指標なのです。